大手企業様の金属加工工場。現状有姿、契約不適合責任免責にて購入。
加須市工業団地内の金属加工工場を購入
概要
- 場所
- 埼玉県加須市
- 物件
- 金属加工工場
- 敷地面積
- 3000坪
- 当時の状況
- 移転時まで工場稼働・土壌調査等は売主が対応
- ご希望
- 現状有姿・汚染以外の契約不適合責任免責での売却
- 対応
- 上記条件での購入
担当者より
不動産業者様からのご紹介。大手金属加工業者様の拠点集約の為の移転に伴う売却案件となります。
売主の売却条件は、移転先の工場が建築中のため工場完成・引越し後の引渡し(約1年半後)である事と、現況有姿(天井クレーン等)、土壌汚染以外の契約不適合責任免責(建物・設備・地中障害等)の取引となる事です。
対象地は工業団地内に有し高い賃貸需要も見込まれたため、上記の条件を考慮しても採算が合うと判断し購入する事としました。
建物のリノベーションを行って賃貸募集する事としましたが、建物2棟のうち1棟の検査済証が無かったため、建築基準適合調査を実施しました。
適合調査で指摘された箇所の是正およびリノベーション工事を行い、建物の遵法性が問題無い状態にして賃貸募集を行いました。当初想定した通り、複数の法人から賃貸の引き合いがあり、条件の良い法人に賃貸する事となりました。
なお、本件のリノベーション工事、賃貸募集に関しては、物流不動産のプロパティマネジメントやリーシングを得意としている関連会社の株式会社シーアールイーと連携して行いました。
弊社初の大規模な修繕工場案件となり、弊社と株式会社シーアールイーとの両社の強みを生かした案件となりました。
遵法性調査 ― 不動産の所有者・管理者が知っておくべきリスク ―
「遵法性調査」とは、対象とする建物が建築基準法などの関連法規に適合しているかどうかを確認する調査です。遵法性調査は、なぜ必要なのでしょうか。それは、現在建っている建物にはすべての法規を満たしていないものもあるからです。
例えば、近年でこそ確認申請数に対する完了検査実施数の比率は約9割を占めますが、平成10年時点では4割を切っていました。およそ6割の建物は検査済証を受けていなかったことになり、法に適合していない可能性はその分高くなります。
対応詳細
改修工事
所感
本件は、土壌汚染に関する問題は無かったものの、工場の移転に伴う下記問題を解決した事例です。
例:現工場の売却から移転先の購入、引越しまでどのような順序で行うか
買主が建物を使用する場合、建物の遵法性は大丈夫か
本件は、移転先の購入・引越しを終えてからの決済でしたが、移転の際には、現工場を売却し、その資金で移転先を購入するケースが多くあります。その場合は、売却が完了してから移転先に引っ越すまでの間、リースバックを行う事も可能です。
また、工場の建物は検査済証を取得していないケースが多いですが、本件のように建築基準適合調査を行う事により遵法性を証明する事も可能です。
工場の売却をお考えになる際には、上記のような問題が発生する事も多々ありますので、お困りの際は当社グループにお気軽にお尋ね下さい。
3つのリスクを防ぐ
法に適合していない建物は、大きく3つのリスクを抱えています。
① 建物利用者に対するリスク
法が求める安全性を確保していない場合、利用者の健康を損なったり、災害時の避難を妨げる危険があります。利用者に対する安全の確保は、建物の所有者・運営者の責務です。
② 用途変更・増改築に伴うリスク
法に適合していない建物は、確認申請が必要な用途変更や増改築を行おうとした場合にそのまま計画を進めることができません。法律上、違法な部分について法適合させることを求められるからです。
③ 不動産売買時のリスク
法適合していない建物の売買では、売り手は重要事項説明書で違法建築であることを伝える必要が生じ、不動産価格も低く見積もられる可能性があります。買い手は、法に適合していない建物を入手すると、使用する際に法適合化が求められます。「用途変更・増改築に伴うリスク」の場合もそうですが、労力とコストによっては事業計画に大きな影響が及びます。
以上のようなリスクを避けるためには、所有する建物や購入予定の建物について遵法性を確認しておくことが大切になります。